原著論文以外で業績を作る
口頭発表
スライドの作成
スライドが聴衆に与える影響は、発表者が考える以上に大きいものである。
話している内容が正確でも、スライドの作り方がずさんだと、研究自体が科学的にいい加減であると
判断されてしまう。例えば、英語の発表の場合、日本人にはあまりなじみがないが、
スペースの取り方など基本的な誤ちを犯さないよう、十分に気を付けることが大切である。
(スペースの取り方につき、詳細は、本サイトのビデオレクチャーシリーズ「医学分野でキャリアアップを図るために」の第5章「日本人に多い誤り」5-1-1「スペース」を視聴されたい。)
1. スライドを作成する上での注意点
- 多くの情報を詰め込み過ぎない。
文字や画像が多すぎると見にくく、重要なポイントがわかりにくくなってしまう。 - プレゼンテーションにメリハリをつけるため、スライドにユーモアを含める。
発表中に聴衆を笑わせることができれば、あなたの発表は聴衆の心に残る。 - スライドの数を抑える(1分間につき 2枚が限度)。
スライドが多すぎると早口になり、最悪の場合時間切れになり、
中途半端な発表になってしまう。 - スライドはシンプルで、わかりやすいものにする。
- 1枚につき、最大8行までにする。
それ以上長いと聴衆は読むことだけに追われ、発表に耳を傾ける余裕がなくなる。 - 見やすいフォントを使用する。
英語の場合、Arial, Helveticaなどサン·セリフと呼ばれる書体にするとよい。
(詳細は、本サイトのビデオレクチャーシリーズ「医学分野でキャリアアップを図るために」の第4章「ポスター発表」4-2-3「目を引くポスターにするために」をご視聴ください。) - テキストを大文字のみで作成しない。
それ以上長いと聴衆は読むことだけに追われ、発表に耳を傾ける余裕がなくなる。 - テキストは左揃えで書き、両端揃えにはしない。
両端揃えは不自然なスペースが空いて読みにくい。 - パワーポイントの特殊効果(音楽を入れたり、文字を躍らせたりするなど)を
使いすぎない。
聴衆はそれらに気を取られ、肝心のメッセージが伝わりにくくなるからである。
- 1枚につき、最大8行までにする。
2. 見やすいスライドを作るコツ
- 識別しやすい色を使ったきれいなスライドを使用する。
- 混乱の元となるので、類似した色は使用しない。
- 全スライドのフォーマット(色の使い方やフォントなど)を統一する。
- 聴衆の中に色覚障害の人がいるかもしれないことに配慮する。
(例:赤か緑か判別できないと理解できないような画像は使用しない方が無難) - グラフと表を効果的に使う。
- 1枚のスライドにはグラフか表を1つだけにする。
それ以上長いと聴衆は読むことだけに追われ、発表に耳を傾ける余裕がなくなる。 - 軸の名称は、いずれもX軸に平行に記載する。
- どうしても必要な場合以外は、立体的な(3-D)グラフは避ける。
- 表に縦の線は引かない。
- グラフや表は必要最小限の内容を盛り込んだシンプルなものにする。
足りない部分は口頭で補足する
- 1枚のスライドにはグラフか表を1つだけにする。