原著論文で業績を作る

方法 (Methods)

Methodsセクションでは、その研究がどのように行われ、なぜその方法を用いたのかを明らかにすることが必要です。このセクションには、研究計画やプロトコル作成時点で使用可能だった情報だけを含めます。研究実施中に得られた情報はすべてMethodsではなく、Resultsセクションに記載しなければなりません。

それでは、Methodsセクション執筆にあたって注意すべき事項について説明しましょう。

1. 研究対象

研究を公平で偏りのない方法で実施することは、科学論文の基本的条件の1つであることをふまえ、

  • 観察・実験参加者 (対照群を含め健常者か患者かなど) の登録基準を明確に述べる。
  • 適格基準や除外基準など母集団に関する情報を含める。
  • 被験者の年齢、性別、人種などについて記載する。人種・民族については、その定義と研究との関連性を説明する。
  • 研究対象を特定の年齢・性別などに限定した場合、その理由が自明である時(前立腺がん治療法を検証する試験で、対象を男性患者に限定する場合など)以外は、その正当性を説明する。

2.技術的情報

他の研究者が結果を再現できるようにするため、

  • 研究の主要目的、副次的目的を記載する。
  • 他の研究者が結果を再現できるよう、方法、設備、手順を詳細に示す。
  • 設備・機器については初出時にメーカー名と所在地を括弧書きで記載する。
  • 方法 (統計方法を含む) の記載は、
    • 確立された方法: 参考文献を提示する。
    • 発表されているが広く知られていない方法: 参考文献を示し、簡単な説明をする。
    • 新しい方法、既存の方法に変更を加えた場合: 説明、使用理由、限界について記載する。
  • 薬剤や化学薬品は一般名で記載し、投与量、投与経路を正確に明示する。

3.統計

  • 研究が適切に行われたかどうか第三者が判断できるよう、統計方法を詳細に説明する。
  • できれば所見を定量化し、測定エラーや不確実性 (例:信頼区間) などの適切な指標とともに提示する。
  • 統計的仮説検定 (p値) のみに頼らず、絶対数のデータを提示する。
  • 研究デザインや特定の統計方法を説明する参考文献を引用する際は、できるだけ標準的な論文を選び、掲載ページ番号を記載する。
  • 統計用語、略語、記号を定義し、使用したPC統計ソフト名とバージョンを明記する。

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