原著論文で業績を作る

ICMJE Recommendations(旧 Uniform Requirements)

Sending the Manuscript to the Journal(学術誌への投稿)

解釈

  • カバーレターは、どんな原稿を投稿する場合も必ず付けなければならない重要な文書である。
  • その目的は、単に編集者に原稿を投稿したことを知らせるためだけではなく、編集過程で必要不可欠な情報を編集者に提供することである。必要不可欠な情報とは、以下を含む。
  • 投稿論文に類似していて、重複出版になってしまう可能性がある以前の業績についての情報は、必ず提供しなければならない。そのような以前の業績は、投稿論文の参考文献リストに含め、原稿のコピーも投稿時に添付すること。
  • 上記の対応を行うことにより、新原稿の投稿自体は科学的不正行為に当たらないが、重複出版を理由に原稿をリジェクトするか否かの最終決定権は、編集者にある。
  • 利益相反の可能性がある場合は、原稿中か利益相反開示フォームまたはカバーレター中でその旨を説明すること。
  • 利益相反とは、著者のうち1人以上が、公平な行為を行う能力に対する信頼を損ね、不都合を生じさせるような金銭的、その他の関係を第三者と結んでいる状況を指す。
  • 例えば、薬剤に関する研究をしている著者が、研究対象薬剤の製造元である製薬会社や、その競合他社の株を所有している場合は、利益相反があると見なされ、開示義務が生じる。
  • 利益相反があるにもかかわらず開示しなかった場合、研究者としてのキャリアに深刻なダメージを与えてしまう可能性がある。
  • 著者全員がICMJE Recommendationsに述べられている著者の条件4つをすべて満たす必要がある。2013年までは著者の条件は3つであったが、新たな条件が追加されている。
  • 著者の資格を有しないが、論文の作成などに貢献した者は謝辞に記載すること。その場合は本人に許可を得ることも必要である。
  • 代表著者の連絡先(氏名、住所、電話番号、emailアドレスなど)を入れること。代表著者は、改訂や再投稿が必要な場合に他の著者と連絡を取り、出版前にゲラの最終的な承認を著者全員から得る責任者である。
  • 投稿原稿が以前他の学術誌からリジェクトされている場合は、リジェクトされた学術誌の編集者と著者間でのやりとりの内容、また査読者からのコメントなどを提供することが奨励されているが、これは義務でない。
  • 投稿先の学術誌の原稿の種類や形式について、編集時に役立つような付加的な情報は、カバーレターに書くこと。
  • 編集者は、著者がこのような以前のやり取りを提出することを歓迎しており、査読のプロセスが早く進む場合もある。
  • 投稿前チェックリストを提供している学術誌が多い。
  • 学術誌によっては、研究のタイプ別に特定のチェックリストを添付するよう指定しているものもある(例:無作為化比較試験論文用のCONSORTチェックリスト)。
  • 著者は、学術誌がこのようなチェックリストを要求しているか確認し、必要な場合は規定に従って、リストを原稿と一緒に送ること。
  • 出版済みの資料や図を複製、使用する際、個人の特定が可能な情報を使用する際、協力者の氏名を掲載する際には、許可書を原稿と一緒に送ること。
  • 自分用の控えとして、また他の学術誌に再提出する場合に使うためにもコピーを必ず保管しておくこと。

原文

Manuscripts should be accompanied by a cover letter or a completed journal submission form, which should include the following information:

日本語訳

原稿には、以下の内容を含むカバーレターをつけるか、または雑誌の投稿フォームに入力すること。

A full statement to the editor about all submissions and previous reports that might be regarded as redundant publication of the same or very similar work. Any such work should be referred to specifically and referenced in the new paper. Copies of such material should be included with the submitted paper to help the editor address the situation. See also Section III.D.2.

内容が同一または類似とみなされる可能性のあるすべての投稿原稿と発表論文について、編集者宛に詳しく説明したもの。そのような論文については、投稿する論文中ですべて明確に言及し、参考文献に入れること。編集者が状況を把握する際の資料となるよう、このような文献のコピーは、投稿論文に添付する。セクションIII.D.2も参照のこと。

A statement of financial or other relationships that might lead to a conflict of interest, if that information is not included in the manuscript itself or in an authors' form. See also Section II.B.

利益相反が起こる可能性のある経済的な関係やその他の関係についての記載(原稿や他の著者による記載で言明されていない場合)。セクションII.Bも参照のこと。

A statement on authorship. Journals that do not use contribution declarations for all authors may require that the submission letter includes a statement that the manuscript has been read and approved by all the authors, that the requirements for authorship as stated earlier in this document have been met, and that each author believes that the manuscript represents honest work if that information is not provided in another form See also Section II.A.

著者資格(Authorship)の記述。すべての著者における貢献した内容の公表を行っていない雑誌では、投稿時のレターに全著者が原稿を読んで内容を承認し、本文書で前述した著者の必要条件を満たしており、原稿が正当な研究成果を発表するものであることを各自が確信している旨の記載を行うよう求めることがある。セクションII.Aも参照のこと。

Contact information for the author responsible for communicating with other authors about revisions and final approval of the proofs, if that information is not included in the manuscript itself.

改訂や校正刷りの最終的な承認の際に他の著者と連絡を取る責任者として、代表著者(corresponding author) の連絡先情報(原稿内に書かれていない場合)。

The letter or form should give any additional information that may be helpful to the editor, such as the type or format of article in the particular journal that the manuscript represents. If the manuscript has been submitted previously to another journal, it is helpful to include the previous editor’s and reviewers’ comments with the submitted manuscript, along with the authors’ responses to those comments. Editors encourage authors to submit these previous communications. Doing so may expedite the review process and encourages transparency and sharing of expertise.

投稿先の学術誌の論文タイプや形式のどれにあたるかなど、編集時に役立つような付加的な情報は、すべてカバーレターまたは投稿フォームに書くこと。原稿が以前に他の学術誌に投稿されている場合、以前投稿した原稿とそれに対する投稿先の編集者と査読者からのコメント、またそれに対する著者の返答を新たに投稿する原稿に添付するとよい。編集者は、著者がこのような以前のやり取りを提出することを歓迎しており、査読のプロセスが早く進む場合もあるほか、透明性を向上させ、ノウハウの共有にもつながる。

Many journals provide a presubmission checklist to help the author ensure that all the components of the submission have been included. Some journals also require that authors complete checklists for reports of certain study types (for example, the CONSORT checklist for reports of randomized controlled trials). Authors should look to see if the journal uses such checklists, and send them with the manuscript if they are requested.

提出の際に必要事項がすべてカバーされているかを著者が確認するための投稿前チェックリストを提供している学術誌が多い。学術誌によっては、研究のタイプ別に特定のチェックリストを同封するよう指定しているところもある(例:無作為化比較試験論文用のCONSORTチェックリスト)。著者は、学術誌がこのようなチェックリストを要求しているか確認し、必要な場合は規定に従って、リストを原稿に添付して送ること。

The manuscript must be accompanied by permission to reproduce previously published material, use previously published illustrations, report information about identifiable persons, or to acknowledge people for their contributions.

出版済みの資料や図を複製、使用する際、個人の特定が可能な情報を掲載する際、協力者の氏名を掲載する際には、許可書のコピーを必ず原稿に添付すること。