出版倫理

International Committee of Medical Journal Editors ( ICMJE ) とは

3. Manuscript Sections(原稿のセクション)

g. References(参考文献)

i. General Considerations Related to References(参考文献関連の一般的考察)

解釈

  • 参考文献の正確さを確認することは著者の責任である。
  • 総説(レビュー)を一つ参考文献に載せておけば、その分野の最近の主要な論文の参考文献リストを読者に提供したことになるため、総説は頻繁に引用される。しかし、この「文献の間接引用(孫引き)」は、正確さを欠く場合があり、推奨されていない。
  • それぞれのオリジナル・ソースの参考文献を提供する方が、読者にとっては有益であると考えられる。しかし、網羅的な参考文献リストがよいというわけではない。
  • インターネット上の電子データベースを使えば、読者は自分で必要な参考文献を容易に見つけることができるため、参考文献リストは、もっとも重要かつ関連性の高いものだけに絞ったほうがより効果的である。
  • (過去の学会などで)抄録では発表済みだがフルペーパーとしては未発表、という論文は参考文献に入れてはいけない。
  • 学術誌に投稿済みで、すでにアクセプトされているが発行されていない論文は、"in press"または "forthcoming"と明記すれば、参考文献に入れてもよい。
  • 投稿済みだがアクセプトされていない論文は、参考文献に入れられないが、"unpublished observations"として論文中で言及することはできる。
  • いずれの場合も、著者は投稿先の学術誌から書面で許可を得る必要がある。
  • 参考文献はすべて、公共のソースから入手可能なものであること。
  • 電子メールでのやりとり等、個人的なソースから得た情報はデータの回収が不可能なので、参考文献に入れてはいけない。しかし、その情報が絶対に必要だが公的な情報源からは入手できない場合、参考文献リストではなく、本文中に括弧で"personal communication"として、情報提供者の氏名と、情報を入手した日付を明記すれば言及することができる。この場合、情報提供者から書面で使用許可を得る必要がある。
  • 学術誌によっては、参考文献がすべて正確に引用されているかを確認するところもあるが、とくに確認しないという場合もあるので、出版された論文中の参考文献に誤りがあることもある。
  • このような誤りを最小限に抑えるためには、著者が参考文献と原本を照合しながら、正しく引用されているかを確認する必要がある。参考文献の正確さ(撤回されている論文などを含めて)を確認するのは、原則として著者の責任である。
  • 参考文献を孫引きで得た場合は、確認のために原著を入手すること。
  • 参考文献に誤りがあれば編集局が修正してくれると思っている著者もいるが、そのようなことをする学術誌はほとんどない。
  • ICMJE Recommendationsでは参考文献は本文中で言及された順序でリストし、図表中だけで使われた参考文献は、文中にその図表が初めて言及された順番にリストに入れるよう指定している。
  • 参考文献の表示は、本文と同じフォントサイズで括弧書きで算用数字を使用すること。
  • 参考文献では、学術誌名はスペルアウトせず、MEDLINEで使われているスタイルに従って省略形を使う(学術誌名のリストはhttp://www.nlm.nih.govからデータベースで入手可能)。
  • 学術誌によっては、本文中に上付き文字の算用数字を付けて参考文献を引用するなど、引用形式が異なるため、必ず投稿雑誌規定を確認し、それに従うこと。

原文

Authors should provide direct references to original research sources whenever possible. Although references to review articles can be an efficient way to guide readers to a body of literature, review articles do not always reflect original work accurately. On the other hand, extensive lists of references to original work on a topic can use excessive space. Fewer references to key original papers often serve as well as more exhaustive lists, particularly since references can now be added to the electronic version of published papers, and since electronic literature searching allows readers to retrieve published literature efficiently.

日本語訳

可能な限り、著者は原著論文を直接参考文献として挙げること。総説(review article)に言及すれば、読者を効率よく多くの文献に導くことが可能かもしれないが、総説が必ずしも正確に原著を反映しているとはかぎらない。そのため、可能なかぎり読者に直接原著論文の参考文献を提供するべきである。一方、あるトピックに関する原著の参考文献のリストが膨大になりすぎると、スペースを取りすぎる場合がある。とくに、今は学術誌の電子版に参考論文を追加でき、電子文献検索でも効率よく文献検索ができるので、より少ない主要な原著論文を参考文献に入れておけば、多様な情報を網羅した長いリストと遜色ない役割を果たす場合が多い。

Do not use conference abstracts as references: they can be cited in the text, in parentheses, but not as page footnotes. References to papers accepted but not yet published should be designated as “in press” or “forthcoming.” Information from manuscripts submitted but not accepted should be cited in the text as “unpublished observations” with written permission from the source.

学会抄録を参考文献として使用しないこと。これらを引用する場合は文中に括弧を付けて引用し、頁脚注にはしない。アクセプトされたがまだ掲載されていない論文の参考文献には“in press”または“forthcoming”と明示すること。提出済みだがアクセプトはまだされていない論文からの情報を使う場合は、情報元から許可書を得た上で、“unpublished observations”と明記して引用すること。

Avoid citing a “personal communication” unless it provides essential information not available from a public source, in which case the name of the person and date of communication should be cited in parentheses in the text. For scientific articles, obtain written permission and confirmation of accuracy from the source of a personal communication.

公開されている情報源では入手できない重大な情報を伝えるものでないかぎり、私信(personal communication)の引用は避けるべきである。引用する場合は、情報元の氏名や通信日を本文中に括弧で明記すること。学術論文で引用するためには、私信の情報元から、情報公開の許可書と、情報が正確なものであるという証明書を得ておく必要がある。

Some but not all journals check the accuracy of all reference citations; thus, citation errors sometimes appear in the published version of articles. To minimize such errors, references should be verified using either an electronic bibliographic source, such as PubMed, or print copies from original sources. Authors are responsible for checking that none of the references cite retracted articles except in the context of referring to the retraction. For articles published in journals indexed in MEDLINE, the ICMJE considers PubMed the authoritative source for information about retractions. Authors can identify retracted articles in MEDLINE by searching PubMed for "retracted publication [pt]", where the term "pt" in square brackets stands for publication type, or by going directly to the PubMed's list of retracted publications.

学術誌によっては、参考文献がすべて正確に引用されているかを確認するところもあるが、すべてではないため、出版された論文中の参考文献に誤りがあることもある。このような誤りを最小限に抑えるためには、著者はPubMedなどの電子データベースの情報源を用いるか、参考文献と原本を照合しながら、正しく引用されているかを検証する必要がある。撤回された論文を引用していないかどうかの確認は、撤回されたことそのものに言及しない限りは、著者にその責任がある。MEDLINEにインデックス化されている論文については、ICMJEはPubMedが論文の撤回に関する信頼できる情報源だと考えている。PubMedの検索の際に、"retracted publication [pt]"([pt]はpublication typeを示す)という検索語を追加することで、撤回されている論文を検索することができる。

References should be numbered consecutively in the order in which they are first mentioned in the text. Identify references in text, tables, and legends by Arabic numerals in parentheses.
References cited only in tables or figure legends should be numbered in accordance with the sequence established by the first identification in the text of the particular table or figure. The titles of journals should be abbreviated according to the style used for MEDLINE. Journals vary on whether they ask authors to cite electronic references within parentheses in the text or in numbered references following the text. Authors should consult with the journal to which they plan to submit their work.

参考文献は、本文で言及された順序で通し番号をつけること。本文、図表、説明文では、参考文献は算用数字を括弧書きにして表示する。
図表の説明文中で引用した参考文献は、図表が文中で言及された順序に従って番号をつける。学術誌名は、MEDLINEで使われているスタイルに従って略記すること。電子参考文献は、本文中に括弧で引用する場合と、本文の後の参考文献中に番号を付けて入れる場合があり、学術誌によって指定が異なる。これに関しては、予め投稿予定の学術誌に確認すること。