出版倫理

著者資格(オーサーシップ)に関する問題の発見方法 How to spot authorship problems

編集長は、投稿論文の全ての著者リストを監視することはできないが、著者リストに不備がある、または不適格な(ゲスト/ギフト)著者が含まれているといった疑問を持つことがある。COPEのフローチャート「ゴーストオーサーシップ、ゲストオーサーシップ、ギフトオーサーシップの疑いがある場合の対応」では、こうした場合の対処法を提案している。以下に挙げる点は、編集長が不適格な著者を見逃さず、問題を示唆している可能性のある危険信号を見抜くことができるようにと考案された。

著者資格(オーサーシップ)に関する問題の種類

ゴーストオーサーとは、著者として適格でありながら、著者リストから削除されている人物のことである。削除された著者が別の役割、特にデータ解析を担当している場合も多いため、ゴーストオーサー=ゴーストライターとは限らない(Gotzsche他は、企業が資金提供する試験を報告する論文では、研究デザインにかかわった統計の専門家がリストから削除されていることが多いと論証している)。プロのライターが著作に関与している場合、名前を著者リストに載せる基準を満たしているかどうかは、該当する著者基準により決定される。研究論文に関するICMJEの基準では、メディカルライターは通常著者としての資格は満たさないが、彼らの論文への関与及び資金の提供元は謝辞に記載する必要があるとしている。

ゲストオーサー、ギフトオーサーとは、著者として適格でないにもかかわらず、著者リストに名前が掲載されている人のことである。ゲストオーサーは、通常、論文を印象づけるため(研究や掲載にほとんど、または全く関与していないにもかかわらず)リストに加えられる。一方ギフトオーサーシップは、お互いの業績数の水増しを目的としたケースが多い(すなわち、同僚の名前を論文に載せる代わりに自分の名前を同僚の論文に載せてもらう)。

著者資格(オーサーシップ)に関する問題を発見するヒント

  • 連絡著者が査読者のコメントに回答できない場合
  • 著者リストに掲載されていない人物によって修正が行われている(Word文書のプロパティで修正者を確認。ただし、共有PCを使用した、秘書が文書の変更を行ったなど、単純に説明がつく場合があることに注意)。
  • 文書のプロパティに、著者リストや謝辞に含まれていない人物が論文の草稿を作成したことが示されている(ただし前項を参照すること)。
  • 例えば総説(レビュー)や意見記事を極端に多数の著者が執筆している(二重出版かどうかも確認)(これは、著者名をMedlineやGoogleで検索することにより発見できる場合がある)。
  • 類似した総説(レビュー)/論説/意見記事が異なる著者名で何編か掲載されている(これは、論文のタイトルやキーワードをMedlineやGoogleで検索することにより発見できる場合がある)。
  • 著者リストに記載されていない役割がある(例:記載されている著者の誰もデータ解析や論文の草稿作成を担当していないような場合)。
  • 著者リストが極端に長い、または短い(例:簡単な症例報告を多数の著者が執筆、無作為化試験を1名の著者が執筆)。
  • 企業が資金提供する研究にその企業に所属する著者が含まれていない(正当な場合もあるが、適格な著者が除外されている可能性もある。プロトコルを確認することにより、資金提供元の社員の役割を判断できる場合がある。Gotzsche他の論文およびWagerの論評を参照)。

参考文献

Gotzsche PC, Hrobjartsson A, Johansen HK, Haar MT, Altman DG et al. Ghost authorship in industry – intiated randomized trials. PLoS Med 2007;4(1):e19.doi:10.1371/journal.pmed.00440019

Wager E (2007) Authors, Ghosts, Damned Lies, and Statisticians. PLos Med 2007;4(1):e34.doi:10.1371/journal.pmed.0040034

出典:COPE (Committee on Publication Ethics)

URL: http://publicationethics.org/resources/flowcharts/