J. パトリック・バロン先生のバイオグラフィー

スコットランドに生まれる。米国ペンシルバニア大学を卒業後、1969 年代末に日本語を学ぶため来日。

国際基督教大学で 4年間日本語を学んだ後、ロンドン大学大学院東洋アフリカ研究科に進み、博士課程( ABD )を修了した。 1970年の東京医科大学外科学講座の早田義博教授との出会いを契機に、同年より日本における医学英語教育( English for Medical Purposes; EMP )に携わり、 75年に医学部内におけるコミュニケーションセンター設立の構想を掲げる。

1980年、聖マリアンナ医科大学助教授となり、 EMP に焦点をあてた英語教育を行う。 1991 年、聖マリアンナ医科大学を退職後、東京医科大学教授となり、同大学内の国際医学情報センターの設立と同時にセンター長に就任。学内から海外への国際的な情報発信や医学英語教育を主な業務にしてきた。2009年には、センターから国際医学情報学講座に昇格。医学コミュニケーション分野で世界初の学術的な講座となり、主任教授に就任した。その後2013年3月に退職するまで、43年間、東京医科大学の国際的な情報発信や日本の医学英語教育などに尽力した。2010年からはソウル国立大学ブンダン病院にて顧問教授 (Adjunct Professor) を務め、現在も年4回、渡韓して講演、医師達の論文校閲などを行っている。

一方、数多くの医学雑誌(Chest, the Journal of Gastroenterology, Breast Cancer, the Journal of Bronchology, Respirology, 病理と臨床, 肺癌, the Journal of the Japanese Society for Respiratory Tract Endoscopy, Allergology International, the Journal of Cardiac Surgery, the Journal of the Japanese Society for Geriatrics 等)の編集委員および編集顧問を務めてきた。

CHEST誌では2006年より約4年間、Postgraduate Education Corner のMedical Writing Tips(邦題:「論文執筆のコツ」)の編集委員を担当し、その功績により、2007年10月には、CHEST Editor of the Year 2007 を受賞(写真)。本サイトには、その全46本の記事が日英対訳で掲載されている。その他、世界気管支学会事務局長、世界気管支連盟副理事長、国際光力学会発起人・事務局長、日本医学英語教育学会副会長を歴任。医学通訳者・翻訳者のネットワークである The Medical Interpreters and Translators Association の創立者でもある。また、国際食道疾患学会の創立時から 32年間顧問を務め、国際外科学会日本支部顧問、アジア太平洋呼吸器学会国際顧問委員も務めている。さらに、その他学会の理事として今もなお活動を続けている。また、2016年1月には、アジアで初めてCommittee on Publication Ethics (COPE: 出版倫理委員会) のMember of Council(審議委員)に推薦され、就任。同じく2016年、第19回WCBIP/WCBEにおいて、気管支内視鏡検査及び気管食道科学の発展に重要な貢献をしたとして、世界の呼吸器外科医及び胸部外科医より賞を受けた。また同年、第70回日本食道学会において名誉会員の称号を授与された。

Chest editorial of the year 2007 授賞式

医学英語コミュニケーションについての招待講演は日本全国で約200回を超え、さらにヨーロッパ、北米、中国にも及んでいる。 B. ハリソン、小林ひろみ、ハリスン英子と共著で出版した『医学英語コミュニケーション1, 2, 3 』は、英語によるコミュニケーションを通じてキャリアアップを目指す国内の医学従事者・研究者にとっての大きな指針となっている。 また、EMP能力を測る日本の医学版TOEFLが必要だと考え、医学英語検定試験の創設にも尽力。構想から14年の時を経て、2008年より3級と4級、2012年より2級試験が始まった。さらに世界のEMP 教育の標準化とグローバル化のための国際基準と世界中で使用可能なテキストの作成に向けて、EUと協力して様々な取り組みを続けている。

またバロン先生は、医療従事者、研究者の役に立ててほしいとの思いから、過去40年以上にわたって行ってきた数々の講演の資料を、2000年代初頭より総監修を行っている本サイト (www.ronbun.jp)へ提供し、今も新しいコンテンツの提案をし続けている。