原著論文以外で業績を作る

その他

キャリア形成のためには、原著論文が極めて重要ですが、それ以外にも多くの形態があり、
時には原著論文と同じくらい重要である場合もあります。
ここでは、原著論文と口頭発表·ポスター発表以外で業績を作る手段にどのようなものがあるか、
またそれぞれの特徴や注意点をご紹介しましょう。
編集長への手紙
  • 同じジャーナルの中に最近掲載された論文についてコメントする。
  • 原著論文にするほどではない新しい手法を説明する。
  • 参考文献は、通常1件か2件でよい。
  • 以前掲載された論文に関する批判の手紙に対し、その論文の著者達が反論する機会を与えられることが多い。
  • 編集長への手紙は抄録ではないため、学術的な出版物として引用され、参考文献に掲載される可能性がある。
  • 読者の注意を引きやすいという特徴がある。
速報(Rapid Communications)
  • 目的:査読を受けた新しい情報をいち早く掲載する。
  • 理由:科学を進歩させ、読者を引き付け、ジャーナルの引用率を増やす。
  • 構成:ジャーナルごとに異なるため、投稿規定を慎重に読むことが必須である。
  • 評価:査読を受けるが、通常、採否の決定は「Yes」 か「No」の二者択一で、
    その理由は明かされない。
  • 利点:口頭発表より前に、最新の研究を発表·保全することができる。
レビュー記事(総説)
  • 通常、依頼を受けて執筆する。
  • 依頼を受けずに執筆する場合、ターゲットジャーナルは慎重に選ぶこと。
  • A)そのジャーナルはレビュー記事を掲載しているか?
  • B)そのジャーナルは、最近そのトピックに関する論文を掲載しているか?
  • C)あなたは編集委員会のメンバーを知っているか?彼らにレビュー記事掲載の可能性があるかどうかを聞くことができるか?
  • 完璧な記事を執筆するためには、極めて幅広い参考文献が必要である。
  • 執筆にあたっては、非常にバランスの取れた客観的なアプローチが不可欠である。
本の1章を(依頼を受けて)執筆する
  • 本全体のフォーマットに合致させる必要がある。
  • それが初版以降のものである場合、フォーマットは初版時のものから変更になっている可能性があるので注意する。
  • あなた自身の負担軽減のため、フォーマット、特に参考文献の記載方法が合っているかどうか確認する。
  • 本全体の内容を把握し、他の章の内容と重複しないようにする。
単独で本を執筆する
個人で書籍やCD-ROMなどの出版をするのは魅力的である。
  • 他の著者との共著よりも難易度が高い。
  • 時間はかかるが、内容を自由に選択することができる。
  • 執筆前に、出版契約に以下の点が含まれているかを確認する。
  • A)あなたの名前がどこにどのように表示されるのか?
  • B)出版社はそれをどのように販売するのか?
  • C)翻訳版を出版する可能性がある場合、その版権は?
  • D)著作権(本文と図)は?
  • E)印刷前に一定数の販売が決まっていれば、出版社にとって魅力的である。
複数の著者と本を編集する
これは、主要な学問的業績を作るための最も容易な方法の1つである。複数の著者が執筆する本を編集できるのはベテランの専門家だけだと思いこんでいる人が多いが、実はそうではない。そのためには、
A)隙間の需要がある分野を開拓する。
B)国際学会で築いたネットワークの中から寄稿してくれそうな人を選ぶ
C)できれば出版社と交渉して、出版前に一定の販売冊数を保証してもらう。
  • 他の著者との共著よりも難易度が高い。
  • 時間はかかるが、内容を自由に選択することができる。
  • 執筆前に、出版契約に以下の点が含まれているかを確認する。
エディトリアルとエッセイ
  • 通常は、依頼された場合のみ執筆する。
  • 論理的な意見を明確に述べるだけでなく、同僚たちの意見にも言及すること。

<エッセイ執筆の際のポイント>

A)内容の範囲と特殊性を定義する。
B)有効性と適用可能性を記載する
C)読みやすいものにする。
D)参考文献を含める。
E)できれば図もあるとよい。
学会発表用の抄録
A)通常、抄録のみでは業績と認められない。
B)競争率の高い学会に投稿する際には、必要事項を漏れなく記載するよう細心の注意を払う。
C)発表を行おうとするセッションに狙いを定め、そのセッションのフォーマット(構造化されたものなど)や内容に合わせて抄録を作成する。
D)抄録の語数には制限があるが、一般的な略語のみを使用するようにする。
E)100%理解してもらえるよう、データ量を抑える。
F)テキストは、経験豊富なネイティブの校閲者にチェックしてもらう。
「2.速報」と同様、採否の決定は「Yes」 か「No」の二者択一である。
国際学会
口頭発表やポスター発表は、出版物より価値は低いかもしれないが、自分独自の専門的なネットワークを築くため、国際学会へ参加することの重要性は強調してもしすぎることはない。学会で同じ分野の参加者達と会って友人になり、情報を集め、将来あなたの論文の査読員となってくれるかもしれない人達と知り合いになる可能性があるからである。
そのような人脈は、あなたにとってかけがえのない宝になるはずである。